自宅でかき氷を作るには、まずかき氷機を用意しなくてはなりません。かき氷機は、ネットの通販サイトで買えますが、かき氷機にはキューブ式とブロック式があります。キューブ式は冷蔵庫で作る氷や、コンビニなどに売っているロックアイスを入れて作るものです。これに対してブロック式は、氷の塊を使ってかき氷を作ります。キューブ式のほうが手軽にかき氷が作れますが、美味しいかき氷を作るならブロック式がおすすめです。

キューブ式のかき氷機は、バラの氷を削るので薄く削ることができず、しかも削り方が不揃いになってしまいます。これでは口溶けが悪いので、美味しいかき氷にはなりません。一方、ブロック式は氷を均一に削れる上に、薄く削ることができるので、口の中に入れた瞬間に溶ける口溶けのよさが味わえます。かき氷は、ふわふわ食感と口溶けのよさが大切なので、美味しいかき氷を作りたいなら、ブロック式を選びましょう。

かき氷を作るなら、天然氷を使いたいものです。やはり、天然氷で作るかき氷に勝るものはありません。しかし、天然氷が手に入らなければ、純氷を使うのがおすすめです。48時間以上かけて、ゆっくり凍らせる純氷は、不純物を含まないので美味しいかき氷が作れます。純氷を売っている店は全国各地にありますが、なければネット通販で買うこともできます。

冷凍庫から出した氷を、いきなりかき氷機にかけて削るのは禁物です。なぜなら、冷凍庫に入っていた天然氷は硬すぎるので、かき氷機の刃を傷めるおそれがあるからです。また、硬すぎる氷を削っても、ふわふわの食感にはなりません。冷凍庫から出した氷は、しばらく置いてから使いましょう。そうすれば、氷の表面が溶けて温度も少し上がるので、削りやすくなります。

かき氷を作るには、まずブロック氷をかき氷機にセットします。氷を削る前に刃の調整が必要なので、刃の位置を「つまみゼロ」に合わせましょう。つまみゼロとは、刃が氷に届かない状態です。この状態で、かき氷機に氷をセットしてスイッチを入れます。刃が届かないので、氷が回転を始めても削れません。この状態でつまみゼロから少しずつ刃を出して、ふわふわに削れる位置に刃を調整します。

かき氷をふわふわに削るには、どれくらい刃を出せばいいのか、最初はわからないものです。氷を薄く削り、理想のふわふわ食感を出すには、何度も繰り返して覚えるしかありません。ある程度氷を削ったら、シロップをかけて食べてみましょう。それからフルーツなどを盛り付けますが、盛り付けは素早く行わないと、薄く削った氷が空気に触れて、食感が損なわれてしまいます。

かき氷を美味しくするのは、削り方だけではありません。かき氷にかけるシロップや、乗せる果肉で大きく味が変わります。イチゴとグラニュー糖をボウルに入れ、ラップをして電子レンジで1分ほど加熱したものを、冷蔵庫で冷やしてからかき氷にかけてみましょう。イチゴを軽くつぶしてかき氷にかければ、シロップがなくても十分に甘みがあるので、美味しく食べられます。イチゴを煮ると酸味が消えて、甘さが増すのでかき氷にピッタリです。

抹茶を加えた和風のかき氷も美味しいので、レシピをご紹介しましょう。牛乳とグラニュー糖を電子レンジで1分ほど加熱し、生クリームを加えて混ぜ合わせてから冷蔵庫で冷やします。これをかき氷にかけ、ゆであずきをトッピングして抹茶パウダーを振りかければ完成です。ゆであずきや抹茶パウダーの量は、お好みで調整してください。牛乳を増やすと洋風に、ゆであずきと抹茶を増やすと和風のテイストになります。

ほろ苦いティラミスをまぶした、大人の味のかき氷をご紹介します。クリームチーズを電子レンジで30秒加熱し、練乳を加えてよく混ぜてください。冷蔵庫で冷やしてからかき氷にかけ、その上からインスタントコーヒーの粉を少量かけて、最後にココアパウダーをかけましょう。甘いのが好きなら練乳を増やしてください。インスタントコーヒーの粉を増やせば、さらにビターな味になります。

エスプーマは、食材に亜酸化窒素ガス（N₂O）を添加して泡状にしたものです。生クリームやフルーツなど、何でも泡状にできるので、かき氷の進化系として注目されています。食材の味はそのままに、食感だけを変えることができるので、とても便利です。ふっくら滑らかな泡のソースをかければ、天然氷のかき氷が大変身します。新しい食感を楽しみたい方は、是非チャレンジしてみましょう。