蔵元 日光氷商店

コラム

天然氷でブームに火がついた「かき氷の日」とはいつなのか?制定された時期や理由も解説します

いまや天然氷のかき氷は、空前のブームとなっています。日本各地に、新たなかき氷店が次々と誕生していますが、その中には天然氷を使ったかき氷を提供する店もあります。ところで、「かき氷の日」というのがあるのをご存じでしょうか。かき氷の日は、かき氷の振興のために制定されたものですが、では誰がいつどんな理由で制定したのでしょうか。本記事では、かき氷の日が誕生したいきさつについて解説します。

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天然氷・かき氷の日とは

7月25日はかき氷の日です。かき氷の日は、一般社団法人・日本かき氷協会によって制定されました。「かき氷」は別名「夏氷(なつごおり)」とも呼ばれることから、「な(7)つ(2)ご(5)おり」と読む語呂合わせで決まりました。また、1933年(昭和8年)7月25日に、山形県山形市で当時の日本最高気温40.8℃を記録したことから、かき氷を食べるのにふさわしい日として選ばれたものです。

天然氷・日本かき氷協会とは

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日本かき氷協会は、日本の伝統ある食文化「かき氷」の素晴らしさを、「まもる」ために設立されました。かき氷をもっと知ってもらい、多くの人に食べてもらうために活動しています。かき氷は日本独自の食べ物ではなく、世界各国に似たようなものがあります。しかし、日本のように氷を細かく削り、シロップをかけて見た目も涼やかで、美味しいものはないようです。かき氷は、もともと日本の食文化の1つでしたが、天然氷のかき氷の登場により、さらにメジャーなスイーツになりました。

天然氷のかき氷は年間を通して食べられるスイーツ

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少し前まで、かき氷は夏限定のスイーツでしかありませんでした。夏になると、多くの飲食店がかき氷を販売しますが、夏以外の季節には、かき氷が販売されることはなかったのです。しかし、天然氷のかき氷が登場したことにより、天然氷の美味しさが見直されるとともに、かき氷ブームが巻き起こります。その結果、夏だけの食べ物だったかき氷は、年中食べられるスイーツとなったのです。

天然氷・アイスクリームとは違った味わい

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夏の暑い日に食べたいものといえば、かき氷のほかにアイスクリームがあります。かき氷は、お店に行かないと食べられないのに対して、アイスクリームはもっと手軽に食べることができます。しかし、かき氷には、アイスクリームにはない楽しみがあります。それは、氷を削ったかき氷を食べると、体の芯から涼しくなれることです。また、かき氷はお祭りなどでも売っているので、夏特有のイベントであるお祭りとも結びついて、さらに人の心を惹きつける力があります。

天然氷・かき氷には長い歴史がある

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かき氷は清少納言が著した、「枕草子」の中にも登場します。削った氷に、甘い汁をかけて食したと書かれているので、その頃すでにかき氷の原型があったことになります。もちろん、当時は冷蔵庫などありませんから、夏にかき氷を食べるには、冬に氷を貯蔵して使うしかありませんでした。それができるのは、一部の特権階級だけでしたから、当時のかき氷は非常に贅沢な食べ物だったのです。

天然氷・日本初のかき氷店の誕生

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日本初のかき氷店は、1869年に横浜で誕生しました。かき氷は平安時代から存在していましたが、庶民が食べられるようになったのは、明治になってからだったのです。しかし、最初の頃は「食べるとお腹をこわす」という噂が流れ、あまり売れなかったそうです。それでも、食べても安全だとわかると、美味しいので爆発的に売れるようになりました。文明開化の波は、日本の食文化も変えていったのです。

天然氷の普及に貢献した2大発明

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明治になると製氷機が登場し、人工的に氷が作れるようになりました。これに加えて氷削り器が誕生したことにより、かき氷の売り上げが伸びていったのです。当時は天然氷が多く使われていましたが、製氷機が登場すると、天然氷は廃れてしまうと思われていました。しかし、当時はまだ製氷機が高価だったので、製氷機で作る氷も高かったのです。そこで、天然氷が見直される形となり、さらに普及していきました。

天然氷・カキゴオリストという資格がある

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一般社団法人日本かき氷協会では、「かき氷検定」を実施し、一定の基準を満たした人を、「カキゴオリスト」と認定しています。カキゴオリストは初級中級上級に分かれていて、検定試験は何度でも受けることができます。インターネット上で、かき氷についてどれだけのことを知っているのか、簡単に参加できるクイズ形式となっているので、興味のある方は受けてみるといいでしょう。

天然氷・グルメかき氷の始まりはどこの店?

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現在、かき氷が大変なブームとなっていますが、ではこのブームはどこから始まったのでしょうか。グルメかき氷の始まりは、2003年鎌倉で創業した「埜庵」だといわれています。この店のかき氷は、旬の果物から作られたシロップを使っていました。さらに、和三盆などの高級食材のほか、日光や秩父の天然氷を使用するなど、食材を厳選したことによって、注目されたのです。都心に本格的なかき氷店がオープンしたのは2011年、日暮里の「ひみつ堂」が最初でした。

天然氷の平和利用は日本だけ

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日本では、平安時代から天然氷が利用されていました。日本の場合は、主に食用としての利用でした。海外でも天然氷を利用した歴史はありますが、どちらかというと軍事目的が多かったのです。古くは中国で、食料貯蔵庫として大きな氷室が作られ、かのナポレオンも、遠征先にいくつもの氷室を作らせました。これらはすべて、兵士たちの食料を確保するために用意されたものです。天然氷は世界各地で利用されてきましたが、戦争と関係なく利用してきたのは、日本だけだったようです。

– まとめ

7月25日はかき氷の日と、一般社団法人・日本かき氷協会によって制定されています。これは語呂合わせで決まったのと同時に、当時日本の最高気温を記録した日も、7月25日であることからこの日が選ばれました。