蔵元 日光氷商店

コラム

現在日本各地に7か所ある天然氷の蔵元をご紹介!それぞれの蔵元の特徴とこだわりとは

現在、日本で天然氷を製造している蔵元は、関東周辺では栃木県に3か所、長野県に1か所、山梨県に2か所、埼玉県に1か所あります。明治初期に創業した蔵元もあれば、まだ創業して間もない蔵元もあります。蔵元があるのは、どこも品質のよい湧水が豊富な場所です。蔵元の多くはかき氷店を営んでいるので、蔵元に行けば天然氷の味を楽しむことができます。

大見出しファイル

栃木県日光市の天然氷の蔵元「三ツ星氷室」

三ツ星氷室は、1877年に創業した老舗の蔵元です。天然氷づくりと卸販売を行っており、東京の有名なかき氷店にも天然氷を卸しています。地元日光では、日光金谷ホテルの甘味処「笙(しょう)」にも卸しており、天然氷の味を生かした甘さ控えめのかき氷が好評です。日光の、ミネラルを豊富に含んだ湧水で作る天然氷は絶品ですから、その天然氷で作るかき氷が美味しいのは当然のことでしょう。

栃木県日光市の天然氷の蔵元「松月氷室」

中見出し画像

松月氷室は、1894年創業の老舗の天然氷蔵元です。日光の山奥に、水源の異なる2つの人工池を持ち、氷室も完備されています。天然氷を卸売する一方で、蔵元ではかき氷も販売しており、連日大勢のかき氷ファンでにぎわっています。マイナス5度で保冷し、マイナス3度で削ることにこだわったかき氷は、繊細で口溶けがよいと評判です。シロップがなくても、ほのかに甘みを感じるかき氷は至極の味です。

栃木県日光市の天然氷の蔵元「四代目徳次郎」

中見出し画像

四代目氷屋徳次郎は、元・吉新氷室の3代目より伝統の氷作りを継承し、こだわりのある天然氷づくりを続けています。日光市内に直営のかき氷店を持っているので、誰でも伝統の味を楽しむことができます。かき氷は綿菓子のようにふわふわで、自家製シロップをかけて、地元の果物と合わせると最高の組み合わせです。四代目氷屋徳次郎のかき氷店には、伝統の味を求めて、季節に関係なく多くのファンがやってきます。

天然氷の名産地栃木県日光市とは

中見出し画像

栃木県日光市には、日光二荒山神社霊泉、滝尾神社酒の泉、磐裂霊水、龍神の霊水、片山酒造の仕込み水、鉢石の湧水、大室たかお神社御神水「おかみの水」、瀧尾神社御神水「やくめい水」など、有名な湧水が数多くあります。日光連山に降った雨や雪が地下に浸透し、湧き出た水はミネラルを豊富に含んでいます。日光の蔵元は、このような良質な水を使っているから、美味しい天然氷ができるのです。

埼玉県長瀞町の天然氷の蔵元「阿左美冷蔵」

中見出し画像

阿左美冷蔵は、1890年頃に創業された老舗の蔵元です。1992年にかき氷店をオープンさせると、テレビや雑誌で紹介され、たちまち人気店になりました。伝統の製法で作る天然氷をもとに作っているのですから、美味しいかき氷ができるのは当たり前です。阿左美冷蔵は、今ではかき氷の聖地と呼ばれ、天然氷を削ったふわふわのかき氷が、たまらない魅力となっています。

長野県軽井沢町の天然氷の蔵元「渡辺商会」

中見出し画像

渡辺商会の天然氷は、碓氷峠の湧水を利用して作られています。その天然氷を使って作られるかき氷は、ふんわりとした食感で、一度食べたらまた食べたくなると評判です。直営のかき氷店では、少し荒削りなかき氷が楽しめます。天然氷のかき氷といえば、ふわふわ食感が定番ですが、少し荒削りなかき氷も美味しく食べられます。他の天然氷のかき氷と少し風味が違うのは、碓氷峠の湧水を使っているからかもしれません。

天然氷の産地長瀞町、軽井沢町の特徴とは

中見出し画像

長瀞町には、「宝登山神社の御神水」と呼ばれる良質な湧水があります。長瀞町は町全体が丘陵地にあるので、山々に降った雨や雪が地下に浸透して、湧水として各所に湧き出しています。そんな湧水を使っているから、渡辺商会の天然氷は美味しいのでしょう。軽井沢町には、御膳水と呼ばれる湧水があります。諸大名や宮家などの御膳に用いられたことから、「御膳水」と呼ばれますが、このように良い水質に恵まれているので、美味しい天然氷が生産できるのです。

山梨県山中湖村の天然氷の蔵元「不二」

中見出し画像

山梨県山中湖村にある不二は、2013年創業の蔵元です。ゆっくり時間をかけて作る天然氷は、溶けにくくかき氷に最適です。不二では、「地球にやさしい氷づくり」をスローガンに、天然氷づくりに取り組んでいます。独自の天然氷製法「極」を開発し、太陽光発電により二酸化炭素の排出量ゼロの環境で、地球温暖化に配慮した天然氷づくりを行っています。

山梨県北杜市の天然氷の蔵元「八義」

中見出し画像

2014年創業の八義は、南アルプス・八ヶ岳の自然の恵みを生かした、天然氷づくりを行っています。山梨県北杜市は、雨が少なく冬は寒さが厳しいので、天然氷づくりに適しています。良質な天然氷を作るためには、使用する水は軟水でなくてはなりません。八義で使う水は、敷地内の80メートルの深さの井戸から汲み上げた、口当たりのよい軟水です。名水百選「八ヶ岳南麓高原湧水群」が近くにあり、天然氷に適した水が豊富に湧き出す場所で、八義は天然氷を作っています。

天然氷の産地山梨県の特徴とは

中見出し画像

山梨県山中湖村の近くには、忍野八海に代表される湧水が数多くあります。これらの湧水は、富士山に降った雨や雪が地下に浸透したもので、ミネラルを豊富に含んだ良質な天然水です。山梨県北杜市の中でも、八ヶ岳南麓は八ヶ岳南麓高原湧水群と呼ばれる名水が、数多く存在しています。「三分一湧水」「大滝湧水」などの有名な湧水をはじめ、良質な地下水があちこちから湧き出しているので、日本一の名水の里と呼ばれるほどです。このような環境で作られる天然氷の質が良いのは、言うまでもないでしょう。

– まとめ

現在、天然氷の蔵元は全国に7つあります。いずれも、良質な湧水の出る場所にあり、しかも冬になれば厳寒の気候なので、天然氷づくりに適しています。多くの蔵元がかき氷店を併設しているので、作りたての天然氷を味わうことができるのも大きな魅力です。