ひんやり美味しい天然氷を温めてから削るのはなぜ？
| 氷屋の天然氷で作ったかき氷は、ふわふわ感がすごいと評判です。それは、氷が薄く削られているからなのですが、薄いからこそ、口に入れたらあっという間に溶けてしまうのです。氷を薄く削るには、まず氷を温めてから削る必要があります。氷が冷たすぎると割れやすく、薄く削ることができないからです。家庭の冷蔵庫で作る氷でも、冷凍庫から出してすぐにかき氷器で削ろうとすると、硬すぎるためにうまく削ることができません。
氷をうまく削るには、氷の表面を常温にして、表面が少し溶けてから削ります。そうすることで、ふわふわしたかき氷になるのです。天然氷は密度が濃く溶けにくいので、常温の状態でも表面しか溶けません。天然氷を使ったかき氷店では、かき氷器にセットしたかき氷を、そのまま放置していますが、この状態のほうが削りやすいのです。夏しか食べられなかったかき氷は、天然氷で作られるようになると、あまりに美味しいのでたちまち評判となり、今では年間を通じて提供する専門店が、あちこちにできています。 |