職人が手作業で汚れをとる?天然氷を凍らせる方法とは?
天然氷は紅茶を美味しくしたり、ウィスキーや日本酒のオンザロックに使うと、味が引き立ちます。この天然氷を作るには、かなりの手間暇がかかります。天然氷は、明治時代までは日本各地で作られていたようです。しかし、電化が進み冷蔵庫が普及するにつれて、生産量が減少していきました。天然氷は手間がかかるために値段が高く、手軽に冷蔵庫で氷が作れるようになると、需要が減っていったのです。天然氷を作るには、良質な天然水がある場所で、冬の寒さを利用して自然に水を凍らせる必要があります。天然氷は2週間以上かけて徐々に凍らせて作るため、氷の表面に付着する枯れ葉やゴミなどを、手作業で取らなくてはなりません。
クリアで質のよい天然氷を作るためには、気温が重要になります。特に夜間の気温が、天然氷の良しあしを決めるポイントになるのですが、自然の気温ですから人間が調節することはできません。そのため、必要があれば、一晩中水をかき混ぜることもあるため、天然氷作りは本当に大変な作業なのです。気温が高いと氷ができないのはもちろんですが、寒すぎてもよい氷はできないので、このような場合はすべての氷を壊して、作り直すことになります。理想的な天然氷を作るには、マイナス5度~8度の気温がベストなので、昼夜を問わず極寒の中で作業が続けられます。 |