氷室はいつからある?天然氷が愛される理由とは?
ここ数年、SNS映えの面でも話題になりつつある天然氷。こだわりの天然氷のみを贅沢に使った高級志向のかき氷など、天然氷はグルメとしても浸透しており、アレンジパターンはますます広がりつつあります。
今では日本人の食文化にしっかり根づいている天然氷や氷の保管庫である氷室は果たして、日本にいつからあるのでしょうか? 平安時代の有名な文学作品にかき氷を連想させる一節がありますが、この時点ではもちろん天然氷の存在は知られていませんでした。 その後、明治時代には庶民も気軽に氷が手に入れられるようになり、さらに、海外から大量の天然氷が輸入されると、日本国内でも上質な天然氷を製造しよう、という動きがさかんになりました。その結果、まずは函館の地で天然氷が作られるようになり、以降、日光や軽井沢を中心に氷室が確保されるようになりました。 昭和初期には日本全国で100ヶ所以上の天然氷の製造元がありましたが、時代の流れとともに天然氷は人工氷に押され、現在は5ヶ所の氷室を残すのみとなっています。 時代は変わっても、丁寧に作られた天然氷には本物の美味しさがあり、長い歴史と伝統も含めて愛される理由となっています。 |