日本の昔からの伝統技術で作る氷は価値のある天然氷です。
そば、お寿司、おせち料理……日本の食文化は必ず、古くから受け継がれている伝統技術と深く結びついています。
もちろん、天然氷も例外ではありません。自然界を流れる名水をほぼそのままの形で利用し、丁寧に加工した天然氷はまさに日本の昔からの伝統技術の結晶であり、一朝一夕では決して生み出せない価値のある伝承文化なのです。 天然氷作りにはまず、名水を引き入れ、溜めておくだけの池が必要です。溜め池に引き入れた天然水を自然の厳しい寒さによって時間をかけて凍らせることで天然氷が出来上がるのですが、質の良い名水をただ池で凍らせたからといって、自動的に天然氷となるわけではありません。 選び抜かれた熟練の職人たちが冬の間じゅう、極寒の環境を耐えながらこつこつと池を清掃し、水の中に入ったわずかなゴミを取り除いているからこそ、一点の曇りもない、ダイヤモンドにも負けないキラキラとした天然氷に仕上がるのです。 人工氷の普及を優先する明治以降の国策により、天然氷作りは一時風前の灯火となりましたが、時代の流れの中でその揺るぎない品質が再び評価され、その技法は現在まで脈々と受け継がれています。 |